
Bad Snacksによる、AbletonとLaunchkey、Launchpad Xを用いたパフォーマンス
プロデューサー、アーティスト、マルチプレイヤーのBad Snacksが、Launchkey とAbleton Liveで厚みのあるパフォーマンスを行う方法を紹介
Bad Snacksは、マサチューセッツ州ボストンを拠点とするビートメイカー、アーティスト、マルチプレイヤー。3歳からバイオリンでクラシックを学んだ彼女は、その後も様々な音楽スタイルを吸収した後、Bad Snacksとしての活動を開始。生楽器と電子楽器、シンセのサウンドスケープを組み合わせ、ローファイかつエレクトロニックなスタイルでロサンゼルスのヒップホップやダンスミュージックシーンで精力的にパフォーマンスを行っています。
「Neat Tape 1」、「Neat Tape 2」、「Bathtub Bumps」など、サンプリングと様々な楽器による精巧なアレンジを組み合わせ、ジャンルを横断する数々のアルバムをリリースしており、自身のYouTubeチャンネルやTwitterアカウントを通じて、プロデューサーやアーティスト志望の何千人ものフォロワーに向けて、音楽制作に関する為になるアドバイスやテクニックを発信中。
今回は、最新シングル「Lucky」のパフォーマンスで、LaunchkeyとAbleton Liveを用いてクリエイティブなアイデアを具体化する方法を紹介します。

Bad Snacksのセットアップ
Bad Snacksのライブセットアップ主な構成要素は以下の3点。
- Launchkey 37
- Launchpad X
- MacBookおよびAbleton Live
Bad Snacksのライブパフォーマンスでは、Launchkey 37が様々な用途に活用されています。ソフトシンセの熱心なユーザーである彼女のラップトップは様々なシンセ・サウンドで溢れており、Launchkey 37はライブセットでそれらをコントロールする強力なツールとして機能しています。Launchkeyを使えば、同様に誰でもライブパフォーマンスでのインストゥルメントやソフトウェアの高度なコントロールができます。
また、Launchpad Xをパフォーマンスに取り入れたのは、Ableton Liveに慣れるためで、シーンのローンチやクリップのライブルーピングなどの機能をMIDIコントローラーを使うことで学んでいたとのこと。
Launchkey 37とLaunchpad XはAbleton Liveに完璧に統合されているので、Bad Snacksはその直感的で流れるようなワークフローで、これまでにないほど簡単に音楽制作やパフォーマンスを行っています。

Launchkey 37とAbleton Liveによる流麗なパフォーマンス
自称テクノロジーオタクでAbleton認定トレーナーでもあるBad Snacksにとって、頭の中で鳴っている音楽を簡単に形にでき、パフォーマンスを的確にサポートする機材の重要性は明らか。
シングル「Lucky」では、様々なシンセを刺激的に使用し、ベースはサンプルで演奏、またライブレコーディングしたボーカルサンプルをパフォーマンス中にLaunchkey 37を用いてチョップしたりと、エキサイティングなアレンジに溢れています。
「とにかくたくさん作ること。毎回名作を作り込む必要はありません。どんなに小さな作品でも、何かを作るときはいつだってアーティストとしての足跡を残しているのだから。」

インストゥルメントにカスタムコントロールをアサイン
Launchkey 37を使うと、Ableton Liveでの曲のナビゲートや、マクロのマッピングがとても簡単 — Bad Snacksは曲の各要素を演奏するにあたり、すべてのレイヤーをキーボードから再構築できるよう、各シンセをキーボードにマッピングして、シンセやドラムのチャンネルを簡単に切り替えできるようにしています。
また、Launchkey 37のノブでオートメーションを素早くコントロールし、演奏しながらサンプルの音色を加工したり、刺激的で斬新な方法でアレンジを変容させることで、表現力豊かなパフォーマンスが実現されています。
「できることは無限大、実現するのだって簡単。」
さらに、ドラムパッドにサンプルをマッピングをすれば、サンプルを瞬時にトリガーするのも簡単 — Abletonとシームレスに連携されているので、次にローンチされるシーンを確認でき、スムーズなパフォーマンスができるのです。

リアルタイムでサンプルを操作
Launchkey 37では楽曲をダイレクトにコントロールできるので、ビートに没頭したまま、楽しみながらの楽曲制作が可能 — ライブレコーディングしたボーカルをLaunchkey 37を用いてその場で加工するテクニックが、Bad Snacksの楽曲を新たな次元に導きました。
「私は音楽テクノロジーのプロフェッサー。限りなく楽しく、限りなくクールで、いつも学び続けてます。おそらく死ぬまでテクノロジーオタクであり続けるでしょうね。」
Bad Snacksはトランスポートコントロールを使い、リアルタイムで楽曲のアレンジを変えることで流麗なサウンドを生み出し、ラップトップの画面を見ることなくグルーヴにフォーカスしてパフォーマンスを行っています。皆さんもLaunchkeyで演奏したメロディーをAbleton Liveで再生しながら、楽器のレイヤーを追加したり、ダイレクトにサウンドをコントロールすることで、ライブサンプリングを試してみてください。
Bad Snacksのように音楽を作るためのヒント
Bad Snacksの制作スタイルに重要となる3つの要素を挙げてもらいました。
引き算のミキシング
「うるさくならないミックスを常に心がけてます。邪魔に感じた音はボリュームを下げること。」
マキシマリズム
「多くのレイヤーを重ね、隙間を作らない。これは曲作りでよく実践していることだと思う。」
アルペジエーターに8ビットの質感を加える
「これもよくやりますね。癖になってるけど、とにかく良い音がするから。」
Bad Snacksの音楽は常に進化を続ける中、機材の強固なエコシステムを構成することで、頭の中のイメージを本能的に形にすることができる。このプロセスにはLaunchkey 37とAbleton Liveの組み合わせが一役買っています